FJTSUJIDO YACHT

Tuning Guide

Snipe チューニングガイド

株式会社ノースセール・ジャパン / 2009.3.1

Base Setting

TSUJIDO 基本チューニングデータ

辻堂加工が推奨する、スナイプの基本ベースセッティングです。下記コンディションを基準値として、各艇のセッティングを詰めていく出発点にお使いください。

クルー合計体重130 kg
セールNorth Sails YZ-9 & N-3.5
マストサイドワインダー(コブラ)
マストステップクラスルール(1524mm)の一番前
シュラウドセッティング6350 mm
マストレーキ6500 mm
サイドチェーンプレートジブシュラウドからの距離 1715 mm
スプレッターの長さ445 mm
スプレッターの開き720 mm
サイドステーのテンション25(ルース社テンションゲージ)
フォアーステーのテンション4(ルース社テンションゲージ)
プリベンド50 mm
ジブリーダー774 mm

これらのデータの基本設定は、クルー合計体重 130kg、使用セール North Sails YZ-9・N-3.5 です。海面のコンディション、風の強弱、クルー・ヘルムスマンのウェイトによって変化します。このデータを基準に、各艇に合ったセッティングをお探しください。

参照:株式会社ノースセール・ジャパン(掲載許可を得て転載)/ PDF版をダウンロード ↓

スナイプ リグ図
スナイプ 各部
参照:ノースセール・ジャパン

コントロール・ファクター

デザインされたセールのベストシェープを海上で再現するためには、そのセールに合わせてマストを正しくチューンアップすること、すなわちセールとマストを一体化させて考えることが大切です。ここではセール及びマストのコントロールファクターのいくつかを説明します。マストセッティング・チューニングに関するデータに「絶対」といった数値はなく、マストの種類(硬さ)、チームの体重、セーリングコンディションによって変化しますが、次の項目を参考にしてセール・マストをセットし、セーリングを重ねて各艇に合ったデータを見つけてください。

チューニングの方法(2種類):

1) トラベラーシーティング — オーバーパワーになりブームを艇のセンターに保てなくなったときに、トラベラーを出すことで艇のバランスをコントロールする走らせ方。ブローの強弱があまり大きくなく、比較的安定した風(海風)の時に効果的です。

2) バングシーティング — オーバーパワー時に、バングを引いてメインシートを出すことで艇のバランスをコントロールする方法。ブローの強弱の激しい風(陸風)の海面で効果的です。ただし柔らかいマストの場合は、ブームバングを引くとジブのサギングが大きくなりすぎるので、必要に応じてアフトプラーを引いて過度なローベンドを抑えます。

※ トラベラー/バングシーティングとも、オーバーパワーになるまではほぼ同じチューニングになります。

マストチューニング

プリベンドとそのコントロール

プリベンドは、リグにテンションを加えたときに生じるマストベンドのことです。セールのデザイン、マストの硬さ、セーリングウェイトに応じて適切なプリベンドを与えます。計り方は、メインハリヤードをグースネックの真上でマスト後端に当て、たるみの無いようにピンと張ったとき、スプレッダーの高さでマスト後端とメインハリヤードとの距離を読みます。

バングシーティングの場合、バングを引くとブームがマスト下部を前方に強く押し出すのでマストはローベンドし、ハウンドの位置が下がってジブハリのテンションが下がり、ジブのサギングが増えます。ジブがサギングするとラフ付近がラウンドして深くなり、上り角度が悪くなります。そのため、バングシーティングの際はジブのサギングを防ぐため、あらかじめリグに強めのテンションを入れ、オーバーベンドに対処するためスプレッダーを少し開きめにセットし、セーリング中はアフトプラーでベンドをコントロールします。

マストステップとチェーン・プレートの位置

マストステップは、ステムとデッキの交点からマストの中心までが1524mm(60インチ)後方に位置するのがルールで許されている最小値です。スナイプはウェザーヘルムの強い艇なので、マストはできるだけ前方に位置させるべきです。ステップの位置はボートビルダーに相談すると良いでしょう。

アフトプラー

アフトプラーを引くとマスト下部のベンドが減り、ドラフトが前に寄ってセールの下部が深くなり、リーチにテンションがかかってリーチが閉じます。クローズホールドではマストベンド・パワーに合わせてコントロールしてください。バングシーティングの艇は、バングを引く前に必ずアフトプラーを引き、マストが前に行かないように固定します。また、順風で波のある海面では、リグが揺れてリーチが不安定になるので少し引くと良いでしょう。

フォアプラー

フォアプラーを引くと、マスト下部がベンドしてセールの下部が浅くなり、リーチが開きます。微風でリーチを開くパワーが足りないとき、フォアプラーを引いてリーチを開かせます。またベンドすることでジブがサギングし、ラフのタックアングルが深くなって走らせやすくなります。

アウトホール

アウトホールをゆるめるとセールの下部が深くなり、セール下部のリーチが風上側に向いてウェザーヘルムが強くなります。チョッピーな海面でアウトホールを少しゆるめてやると、パワーがついて失速しにくくなります。

メインセールのタックロープ

メインセールのタック部分には、深さのコントロール範囲が広くなるようにタックロープを調節します。

・フルパワー → タックをマスト後面から約2cm離してセットする。
・オーバーパワー → メインセールにバックウィンドがコンスタントに入りだしたら、タックをマストに引き寄せる。

カニンガム

カニンガムを引くとマストベンドが大きくなることによってリーチが開きやすくなります。セールは全体に浅くなります。

ジブセールのピークロープ

ジブセールの高さは、ジブセールをクローズホールドまで引き込んだときにフットがフォアデッキに触れないように調節します。低すぎて折れ込むとセールエリアを損し、反対に高すぎてセールとデッキの間に隙間ができるとフット部分で風が乱れ、失速の原因になります。適切な高さになるようにピークロープの長さを調節します。

スプレッダーの長さと開き

スプレッダーの長さは、マストのプリベンドに影響します。長くすれば弱いショラウドテンションでマストは曲がり、短ければサイドステーを詰めて強いテンションをかけないとなかなか曲がりません。柔らかいマストはスプレッダーが短くとも弱いテンションで曲がります。セーリング中にメインシートやバングを強く引くと、スプレッダーの調節ボルトがブラケットに当たってマストのオーバーベンドを抑えます。マストをもっと曲げたいときは、スプレッダーの開きや長さを、クルーの体重・セールの特性に合わせて調節してください。

シュラウドセティングとリグのテンション

シュラウドセティングの値は、まずサイドステーをチェーンプレートの任意の位置(左右対称)に取り付け、ジブのラフワイヤーをもってサイドステーをピンと張り、その状態でマストのレーキを計ったときの値となります。オーバーパワーになるにしたがってサイドステーのピンを詰めて、シュラウドセティングの値を小さくします(表1参照)。また、バングシーティングの場合はトラベラーシーティングよりもリグのテンションが必要となり、シュラウドセティングの値が小さくなります。

オーバーパワーになるにしたがってサイドステーのピンを詰めて、シュラウドセティングの値を小さくします(表1参照)。

表1 シュラウド
セティング
レーキプリベンドスプレッダー
の開き
スプレッダー
の長さ
トラベラー
シーティング
順風6380〜64206480〜652030<60720<660420<480
強風6340〜63806440〜648040<70
バング
シーティング
順風6360〜64206480〜652030<60780<700400<450
強風6300〜63606440〜648050<80

※ プリベンド・スプレッダーの開き/長さは「ソフトマスト<ハードマスト」の値。/ 参照:ノースセール・ジャパン

シーティング方法によるセールシェイプコントロール

バングシーティングとトラベラーシーティング、この二つの操作方法の顕著な違いは、オーバーパワーになりブームを艇のセンターに維持できなくなった時点から現れます。

[バングシーティング]フルパワー(ブームはセンター)の状態からブームバングをかけていきます。バングを引くと、ジブハリの取り出し口の位置が下がってジブがサギングし、マスト下部を中心にベンドが増えます。その結果ジブセールが深くなりメインセールは浅くなって、バランスの悪い状態となるため、下部を中心としたオーバーベンドとサギングを抑えるためにアフトプラーを引きます。

[トラベラーシーティング]フルパワーの状態からブームをセンターに維持できなくなったら、メインシートのテンションはそのままにして、トラベラーでメインセールの出し入れをコントロールします。メインシートのテンションはブームエンドから直接リーチに加わり、フォアステーに掛かるものではなくリーチに作用します。マストがオーバーベンドしすぎるとき・マストベンドが足りない(メインセールが深すぎる)ときで、ギヤの入れ方や操作を工夫する必要があります。

セール・トリミング

メインセール

微風(1〜2m/s):波のない海面ではフォアプラーを引いてできるだけメインセールをフラットにし、ブームからトップバテンを見上げて、トップバテンがブームと平行になるようにトリムします。波のある海面でもフォアプラーは引いておきます。フォアプラーを引くとジブのサギングを作り、ジブをパワフルに深くすることで抵抗を減らします。スナイプは重い艇なので、一度失速すると再びスピードを取り戻すのに時間を要します。メインシートとジブシートも、風の変化や艇のスピードに合わせて常にトリムします。

中風(3〜4m/s):波のない海面では、トップバテンがブームより10°程度風上側を向くようにメインシートをトリムします。フラットな海面ではより角度を優先するからです。チョッピーな海面では、トップバテンのリーチが常に流れているようにします。

中風(4〜6m/s):オーバーパワー手前のこの風では、リグから最大のパワーを得てワイドアウトします。艇の勢いをフラットに近くして、はじめてマストが曲がりすぎてアンダーパワーにならないようにします。アフトプラーを引いてセールを深くし、パワーアップしていきます。特に波のある海面では効果的です。

強風(7m/s〜):トラベラーシーティングでは、ブローの強弱によりトラベラーを出し入れしてメインシートのバランスを維持しますが、艇速に応じてメインセールが波を切って進むようにトラベラーシーティングが安定するようにします。二人でスムーズにトラベラーを操作できなくなると、まずトラベラーをセールに引き寄せて出し切るようにします。トラベラーを使う風になる場合はカニンガムを引くとリーチが開き、リーダーがフラットになりローベンドダウンの効果があります。

ジブセール

3〜5m/sの風の中で、セールの上下に付けたテルテールの流れ方を見て、ジブリーダーの基本位置を決めます。まずジブリーダーを任意の位置にしてクローズを走らせ、下がりは弱くなるようにトラベラーシートをゆるめ、ジブラフを強くパワフルにするとよいでしょう。風の弱いときは風上に移動し、風が増してオーバーパワーになったらジブリーダーを後方に移動します。強風でオーバーパワーになるとリーダー位置を後方に、微風では前にセットします。セールトリミングでいちばん大切なのは、よく走っているときのセールのシェイプを目に焼き付けることです。それをセーリング中の目標とし、遅く感じたときにはどうなるかを敏感かつ正しく判断できる能力を身につけよう、と言うようにしましょう。

トリミング一覧表

トリミング一覧表(微風・中風・強風)
トリミング一覧表 表2(微〜軽風/中風/強風 の各セッティング) / 参照:ノースセール・ジャパンクリックで拡大

出典:株式会社ノースセール・ジャパン(northsails.co.jp)/掲載許可を得て転載。(2009.3.1)
より鮮明な原本は上部の「PDF版」でご覧いただけます。

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