TUNIMG GAIDE


TSUJIDO FJ TUNING GUIDE


マストチューニングを始める前に
チューニング目的
マストチューニングとは、セールのパワーを最大限に引き出し、そのパワーを余すことなくボートへ伝えることができるかが最大の目的です。ここにTSUJIDO FJのマストの立てかたと、標準チューニングデータを載せますが、あくまでも目安であり絶対のデータではありません。各チームのウエイト セーリングコンディションによって変化するもので、また変化させるべきものです。以下を参考にセットし、セーリングの結果を取り入れ各艇 各チームにあったチューニングを探し出してください。
マストステップ
マストステップの位置は、ヘルムのバランスを決定します。マストステップを前に動かすとリーヘルムが増え、後ろに動かすとウエザーヘルムが増えます。センターボードピンからマスト後面までの距離を測ります。
360mm>375mm>380mm
ウェザーヘルムのある360mmから始めてみてください。
ヘルムが感じられれば、一つずつ前に移動していきます。
サイドステーチェーンプレート
サイドステーチェーンプレート前御位置は、プリベンドとフォアーステーのテンションを調節します。前に動かすとプリベンドが増えフォアーステのテンションが減り、後ろに動かすとプリベンドが減りフォアーステーのテンションが増えます。測る位置は、ステムヘッド金具最前部ピンからサイドステーチェーンプレートまでの距離を測ります。
1850mm>1880mm>1900mm
1880mmから始めてください。
ハンドリングのコントロールが難しいときは1900mmにします。ただしジブのサギングが減りパワーは落ちます。またベンドが減りリーチが閉じやすいので微風には向きません。
パワーが欲しいときは1850mmにします。ただしジブのサギングが増え上り角度が落ちます。またリーチが開きやすいので強風には向きません。
スプレッター
スプレッターのレングス
スプレッターの長さは、スプレッター先端のサイドステー取り付け位置がサイドステーマストタング位置とサイドステーチェーンプレートを直線で結んだ線との位置関係によって、マストの横方向のテンションを調節します。スプレターを長くするとサイドベンドが減り、短くするとサイドベンドが増えます。(ただし、スプレッターティップが外側にあるとき)。スプレッターの長さの測り方は、マスト面とスプレッターの先端サイドステー取り付け位置までの距離を測ります。
460mm>450mm
スプレッターのディフレクション
スプレッターのディフレクションは、スプレッター先端のサイドステー取り付け位置がサイドステーマストタング位置とサイドステーチェーンプレートを直線で結んだ線との位置関係によって、マストの前後方向のテンションを調節します。つまりプリベンドの量を調節します。ディフレクションを広げるとプリベンドが減り、ディフレクションを閉じるとプリベンドが増えます。ディフレクションの測り方は、スプレッターを完全に閉じブラケットに当てた状態でサイドステー間(ディップ間)を測ります。

マストチューニング
マストレーキ
マストレーキは、マストステップと同様にヘルムの量とボートに与えるパワーを調整します。マストレーキを増やすとリーヘルムが増えパワーが増え、マストレーキを減らすとウェザーヘルムが増えパワーが減ります。マストレーキの測り方は、メインハリヤードにメジャーを取り付けセーリング状態の位置まで上げトランサム上縁迄の距離を測ります。マストプラー等は、開放しておきます。
リグテンション
リグテンションは、スプレッターへの影響、 つまりプリベンド、 サイドベンド量とフォアーステーのテンション(ジブのサギング量)を調節します。リグテンションの測り方は、市販のテンションゲージを使って測ります。
プリベンド
プリベンドとは、メインセールをセットする前にスプレッター サイドステー ジブセールのみでテンションをかけたときに生じるマストベンドのことです。プリベンドが多いとメインセールが浅くなりパワーを減らしリーチを開きやすくし、プリベンドが少なとメインセールが深くなりパワーを増やしリーチを閉じやすくします。プリベンドは、マストベンドの基準になり、セーリング中にメインシート ブームバング トラピーズによるテンションがかかったときのベンドやマストの硬さによって調節します。プリベンドの測り方は、マストトップとグースネックを直線に結びスプレッターの位置でのマストとの距離を測ります。
マストプラー
マストプラーは、セーリング中のマストベンド量を調整します。プラーを引いてベンドを少なくすると、メインセールは深くなりパワーアップします。また、メインシートによるリーチコントロール中にプラーを当てマストを固定すると、リーチのコントロールを安定させることができます。マストプラーの量の測り方は、プリベンドの測り方と同じです。
セールトリム
メインセール
リーチコントロール
メインシートを引き込むと、リーチは閉じパワーとウェザーが増え、メインシートを緩めるとリーチが開きパワーとウェザーが減ります。標準的なトリムの目安は、トップバテンとブームが平行になる位置です。
ブーム位置
無風から微風域やオーバーパワーになったときには、メインシートの出し入れによってブームの位置をコントロールします。ブームの位置は、ブームエンドとボートのセンターラインからの距離で測ります。
ブームバング
ブームバングは、メインセールのリーチのコントロールとマストベンドをコントロールします。バングを引けばリーチが閉じマストが曲がります。バングを緩めればリーチは開きますとが立ちます。
カニンガム
カニンガムは、メインシートのドラフトの位置をコントロールします。カニンガムを引くと、ドラフトは前に移動しリーチが開きやすくなります。カニンガムを緩めると、ドラフトは後ろに移動しリーチは閉じやすくなります。
アウトホール
アウトホールは、メインセールの下の部分のカーブをコントロールします。アウトホールを引くとセールの下の部分は浅くなりリーチは開きやすくなります。アウトホールを緩めると、セールの下の部分は深くなりリーチは閉じやすくなります。
メインセールのタック位置(タックロープ)
タックロープは、アウトホールのメインセールの下の部分のコントロールを補助します。オーバーパワー間では、セールとマストの間に隙間を空けておきます。オーバーパワーになったら、より強くアウトホールを引くためにマストとセールが接するまで引きます。
ジブセール
ジブシート
ジブシートは、ジブセールのリーチテンション リーチのツイスト スロットルの幅をコントロールします。リーチテンションを増やし、ツイストを少なくし、スロットルの幅を狭くすると、上り角度が良くなります。リーチテンションを減らし、ツイストを増やし、スロットルの幅を広げると、スピードが増します。
ジブリーダー
ジブリーダーは、ジブセールのリーチのツイストと、フットカーブのコントロールをします。ジブリーダーを前に移動すると、リーチのツイストは減りフットは深くなります。ジブリーダーを後ろに移動すると、リーチのツイストが増えフットは浅くなります。
ジブカニンガム
ジブカニンガムは、ジブセールのドラフトの位置をコントロールします。ジブカニンガムを引くと、ドラフトが前に移動しリーチが開きやすくなります。ジブカニンガムを緩めると、ドラフトは後ろに移動し、リーチが開きやすくなります。
ジブのピークロープ
ジブのピークロープは、ジブシートが引き込まれたときにフットとバウデッキに隙間がなくなるようにコントロールします。フットとバウデッキとの間に隙間ができると、乱気流が起こり失速の原因になります。
スピンセール
スピンシート
スピンシートは、スピンネーカーの位置とリーチのコントロールをします。
スピンポール
スピンポールの高さは、スピンネーカーのドラフトの位置とリーチのテンションをコントロールします。スピンポールを高くするとドラフトは後ろへ移動しリーチが閉じやすくなります。スピンポールを低くすると、ドラフトは前に移動しリーチが開きやすくなります。ポールの高さの目安は、スピンエーカーのフットが水平になるようコントロールします。
ボートトリム
乗艇位置
乗艇位置は、ボートヘルムをコントロールします。乗艇位置を前にすると、ウェザーヘルムが増え、後ろにすると、ウェザーヘルムが減ります。
ヒールバランス
ヒールバランスは、常にフラットを保つようにします。フラットに保つことによって最高のボートスピードと上り角度を得られるように設計されています。しかし無風から微風域では、少しヒールをつけることによって、セールの重みでセールカーブを作るとセールコントロールがやりやすくなります。
センターボード
FJはアンダーパワーの船なので、クローズホールドでは一番下まで降ろします。フリーでは、ラダーにヘルムがかからない程度の位置まで上げます。ランニングでは、ボートハンドリングが可能な限り抵抗を減らすために上げきります。